保険会社のノルマを達成させるために

雑記

僕はいままで保険会社と保険代理店に勤めていましたが、保険会社は大同生命という中小企業をターゲットにした特殊な会社で会社経営者の方に保険を販売する仕事をしていました。ニーズはあるかは分かりませんが、保険会社ってノルマが厳しいというイメージがありませんか?

はい!そうです!実際厳しいです。入社するときは、「ノルマはありませんよ。ただ、チームでの目標はあります。」と人事の方は答えられます。今もそうなんじゃないかな?

ただ、営業現場に配属された瞬間に実態が分かります。まずチームの目標じゃなくて1ヶ月ごとに個人の目標があります。毎日数字の状況を事細かに上司からつめられ、そして、それを達成しないと自分は価値のない人間だと心の底から思わされるほど罵倒されます。前の月に達成していても次の月は次の月です。

保険会社のノルマ

あくまで大同生命はという話ですが、大同生命の場合、主なノルマは保険金額でした。

保険金額は、死亡保険金額のことです。これを人にもよりますが、大体年間50億円分くらい売らなければいけませんでした。ちなみに補足ですが、私がやっていた営業は代理店営業といって自分で営業するのではなく、代理店となっている税理士さんを通じて保険を販売する方法の営業でした。ひとり10事務所ほど担当を持つので、平たく言えば1事務所年間5億円分の死亡保険を打ってもらえばノルマクリアという感じです。

保険会社のノルマ(死亡保険金)をクリアするために

正直、さらっと書きましたがそんなに簡単じゃありません。代理店である税理士先生がある程度自立してやってもらう分は何とかなりますが、あくまで税理士さんの本業は税務申告な訳で、そして保険会社も1社専属で契約している訳でもないので結構しんどいです。死亡保険金額をとにかく積み上げなければいけないので何をするかというと、

まずは、借入金の多い会社をリストアップして、単純に掛け捨ての保険を提案するように促します。相手方が例え、積立のニーズがあっても基本掛け捨て。同じ1億円の保険でも掛け捨て型と積立型の保険料はかなり違います。例えば30歳男性で1000万円の保険の場合

掛け捨て保険の保険料1068円(ライフネット生命 10年定期)

積立保険の場合の保険料 21640円(オリックス生命 終身保険60歳払済)

20倍も違う・・・

そうなんです。結構違うんです。となれば、営業担当者としてはまず何を考えるかというととりあえず少ない保険料で掛け捨ての保障をすすめていこうと考えます。企業も保険料に充てられる金額は限られているので限られた資金の中で保険金額を上げるためには掛け捨てをという考えなんですね。借入金が多く、保険が入っていない先は社長が死亡した場合に即会社が立ち行かなくなり最悪の場合ご家族ともども破産ということもあるので、そういった先に優先的に保険を提案してもらっていました。

奥の手、決算対策

借入金への対策として掛け捨て保険をすすめていくのは、王道中の王道という数字の作り方なのですが、それだけでは目標達成は難しいです。そこで使うのが決算対策です。企業が支払う保険料は、一定の条件を満たせば全額または2分の1程度の保険料を経費として処理することができるんです。経費にできると何がいいかというと保険料を払うことで利益を本来より少なくでき、納税も少なくすることができると言うことです。要は、利益が出ている企業に対して保険に入ってもらい納税額を減らしましょうっていう提案です。この場合積み立て型の保険を提案します。掛け捨ての保険に入ったら、経費にできても将来的に戻ってこないですから。いくらの保険が必要だからというより、いくら経費にしたいかで結果として保険金額が決まるので、儲かっている企業が多いと何も考えなくても勝手に保険が売れていくなんてこともあります。

最後に

保険会社(大同生命)にノルマはあります。

ノルマは死亡保険金額でした。医療保険とかは売ってもほとんど成績に関係なかったので、「医療保険なんていりませんよ。だって高額療養費あるし」って言ってました。あくまで成績に関係ないから言えることです。医療保険売る必要があれば、入院したらいかに金銭的なリスクがあるか伝えていたと思います。

保険は本来、万が一のリスクを補填するものですが、少なくとも私が勤めていた大同生命の実態としては、儲かっている企業の決算対策頼みでした。

立場によって、都合のいいことを言う。すべての営業マンがそうとは言いませんが、営業マンが裏で何を考えて話しているのか想像しながら接すると面白いかもしれません。

少なくとも言いなりにならない様に。保険にどうしても入らなければいけないときは、自分でもきちんと調べてくださいね。下手したら人生で一番高い買い物になりますよ。

コメント